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創作漫画 【万の妖怪記】第1話・禍神(まがかみ) 結

妖怪漫画7

其の七

俺が妖怪!?

そんなワケないだろ。この小さい爺さん何言ってんだよ!


妖怪変化─

「ナニ馬鹿な事言ってんだ!!俺はどう見ても人間だろうが!」

俺は思いっきり叫んだ。

だが小さい爺さんの反応は薄かった、しかも豆みたいに小さい目が

しらっ、と俺を見ているし…。

小さい爺さんはちょこっと立ち上がると何処からか丸い鏡を持ってきた。

「ほれ。」

鏡を俺に向ける──

え…ええ?ええええ??!

俺に向けた鏡に映ったのは……俺?いや、茶色い毛玉みたいな生き物だ

丸くて目が異常に小さい、鼻は口の上にちょっと付いてるだけで

肉眼では見え難い、毛は三本、頭にちょこっと生えている…な、なんだこの生き物!

この鏡の前には俺しかいない…そ、そんな馬鹿なこと…。

何気なく自分の手を動かして顔を触ってみる

鏡に映った茶色の生き物も俺と同じ動きをする

思わず触った手を見てみると、ミトンの様な茶色の手が目の前に差し出される

「そ…そんな、ゆ、夢だよな…夢であって欲しい…!」

サア──

血の毛が引いてゆくのが解る。冷や汗って本当に冷たいんだな…

「「ああ!おヌシ、ショックで萎んでるだず~~!!」」

小さい爺さんが何か俺に向かってナニか叫んでいるが俺の耳には遠くて聞き取れない

体の力が“ガクン”と抜けて俺はそのまま床に座り込んだ…

座り込んだ俺に小さい爺さんがチョコチョコ寄って来てスッと何かを差し出す。

“おにぎり”かよ。

そう言えば俺の事「モグラの妖怪」って言ったな。

妖怪って…妖怪?!

「なんだか知らんけども、おヌシ大変な事になってるんだずな~」

小さい爺さんが惚けた顔で俺を慰めてくれる。

聞けば此処は“妖怪の郷”と言う妖怪だけが住む場所らしい。

いわゆる【異世界】っていうのだな。

そして今俺がいる場所は、妖怪達が集まる集会所らしい。

集会っていっても只、宴会したり山菜取りの休憩所にしたりしてるだけなようで

俺が此処に住んでも良しらしい。

オマケでこの小さい爺さんの使ってた菅の笠と

籠もプレゼントしてくれた。まあ、ありがたい。

とりあえず、何とか暫く生きて行けそうだな…

「あ、そうだず~ワシは小鬼のイマイだず、して、おヌシの名は?」

ああ、この小さい爺さん、“イマイ”って言うんだな。

しかも爺さんじゃなくて鬼なのか…全然見えないけど。

どっちかって言うと、昔話とかに出てくる貧乏神に似てるけどな。

さておき、俺の名前か…

俺の名前は…

ええと………

あ、あれ?俺…何て名前だっけ?

どうやら、あまりのショックで名前が飛んじまったらしい。ヤベー

困っている俺に、灰色の妖怪が近づいて来て沢庵を差し出した。

慰めてくれてありがとよ!

ってか、コイツ確か鍋に浸かってなかったか!?

色々ヘコ垂れた俺はイマイの作ってくれたメシをご馳走になってまた寝てしまった。

これで目覚めたら元に戻ってくんないかな…。

そんな俺の思いを他所に、友達が出来たと喜ぶイマイの姿が

閉じてゆく俺の目蓋の見た最後の映像だった──

其の八

妖怪漫画8

自分の名前が思い出せないなんて──

実は他の事は覚えてるのに不思議と名前だけが出て来ないんだ

あと少しで思い出しそうになると、あのデカイ目と赤い唇の化け物…

妖怪ってヤツが急に「ふ」っと目の前に現れて頭が真っ白になっちまう


新しい名前─

そう言えば人間だった時の自分の顔も思い出せないな…

まるで俺が人間に戻る事を拒むようだ。

取り合えず、集会所で妖怪達が俺の歓迎会を開いてくれた時に

栗吉”って言う名前を付けてくれた。

栗みたいに茶色で丸いからって言う理由らしいが

雑に付けた感が凄い。

何はともあれ、俺はこの仮の名前と妖怪の姿でこの妖怪の郷と言う

異世界で暮らす事になったんだ。

必ず人間に戻る方法を探し出す!必ずな。

 ─────

蕗の茂みに妖怪・キジムジナ達が巣を作っている

巣の前に震える箱…携帯が落ちていた

一匹のキジムジナが

震える箱に近づくと、に巨大な目と赤い唇の妖怪が炙り絵の様に浮き出してくる

キジムジナは驚いて震える箱を遠くから警戒して見ていた。

禍神──

妖怪や八百万の神々はこの妖怪をこう呼ぶ。

人間の厄が凝り固まって出来た、その姿は正に人持つ闇の部分そのもの…

禍神はニヤリと笑う。

 

携帯の画面を見るときは気をつけた方が良い。

いつ、貴方の携帯に禍神が憑くのか…誰も予想ができないからね。

 

 

                                                                                                        第1話・禍神 【完】

 

妖怪百鬼夜行・3番目【キジムジナ】

 

キジムジナ

キジムジナ

キジと狢(ムジナ)の間の様な妖怪
蕗の茂みに巣を作って家族で暮らしている
卵から生まれるが実はオス・メスが無く
寂しくなって家族が欲しくなると
自然に卵を産んで育てるようだ
寿命は20年と妖怪にしては短い方で
死ぬと其処から蕗が生え
死骸から栄養分を取って大きくなり増殖する
普段は虫や、果物を食べる大人しい妖怪で害はない
蕗の森の番人と呼ばれ
妖怪達からはそって見守られている

★色んな漫画を読んで参考にしよう★